「世の中インボイスって騒いでいるけれど、本当に必要なものなの？」
「キャバ嬢がインボイス制度について知らないとどうなるの？」
こんな風に思っているかたもいるのではないでしょうか。
当記事では、キャバ嬢の売上に大きく影響するインボイス制度について、わかりやすく解説します。
もし今キャバクラで働いていて『何も対処してないけど兵器？インボイス制度がキャバ嬢にどう影響するんだろう？」と不安になっている方がいたらその点について触れているので、ぜひ参考にしてくださいね。
インボイス制度ってなに？
これまでもお客様に領収書を渡すことはありましたが、様式が変わるということですね。ただ、フォーマットが変わるだけではなくて、消費税に対応した経理や申告も行う必要があります。
消費税の仕組みを理解しておきましょう。
消費税は商品やサービスに対して10%（一部は8%）かかります。商売の基本は売上から経費を引くことです。消費税は、売上と経費にかかる消費税分を精算して国に納めることになっています。
次の例で基本的な仕組みを説明します。
- 売上1,000万円（かかる消費税100万円）A
- 経費500万円（かかる消費税50万円）B
- 消費税の差引A-B=50万円
一年間の売上にかかる消費税額100万円から、経費にかかった消費税額50万円を差し引いて、50万円を税務署に納税することになります。
2023年10月から始まったインボイス制度では、対応した請求書を使わないと差引ができず消費税の納税額が増えてしまうので注意が必要です。
なお、原則として、前々年の売上が1,000万円以下の場合はインボイス登録する義務ではありませんが、お店からの依頼により登録しなければならないことも考えられます。
キャバ嬢にとってインボイス制度で何が変わる？
インボイス制度に対応した請求書（適格請求書）を使うためには、インボイス登録事業者として登録しなければなりません。インボイス制度は消費税を納めるための制度なので、当然ながら消費税を納税する義務が発生します。
これまでは、所得税の確定申告だけで済ませていた人も、インボイス登録をすると消費税の申告と納税をしなければなりません。簡単にいうと、これまでより税金を払う金銭的負担が増えるわけです。
また、インボイスの影響があるのは、お店やキャバ嬢だけではありません。お客様が会社の経費でお店を利用している場合、インボイス対応の請求書が発行できないところは敬遠される可能性があります。
会社が接待などの経費で処理する場合、インボイス対応のお店でないと会社の負担が増えてしまうからです。
「そんなこと言われたって、確定申告だけでも大変なのに、インボイスのことまで対応できないよ～！」と思う方もいらっしゃるでしょう。だからと言って、個人事業主として働くキャバ嬢は「インボイス制度なんて知らない」というわけにもいきません。
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自分の収入が報酬か給与か確認しよう
キャバ嬢が確認すべきことは、自分がお店からもらっているお金が「報酬」か「給与」かを確かめることです。
給与としてもらっている場合
給与としてもらっている場合は、インボイス制度は関係ありません。お店がインボイス制度に対応してくれていれば心配ないです。給与をもらっているかどうかは、毎月の給与明細や年末の源泉徴収票が発行されているか確認すればわかります。
報酬としてもらっている場合
一方、お店から報酬として支払われている場合は、毎年、事業所得として確定申告しているはずです。
報酬の場合は個人事業主となるので、衣装代やメイク道具・お得意様への贈り物などの必要な経費を収入から差し引けるメリットがあります。しかし、個人事業主はインボイス登録して消費税を納めるかどうか判断しなければなりません。
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キャバ嬢がインボイスに登録しないと何が困る？
キャバ嬢がインボイス登録しないと困るのは、仕事が減ることです。
先ほど説明したとおり、お店の経営者は、売上にかかる消費税から経費にかかる消費税を差し引いて納税するのが原則です。
お店はキャバ嬢への報酬を経費として計上しています。キャバ嬢がインボイスに対応していないと、消費税分を差し引けなくなって、キャバ嬢が払うべき消費税額を代わりに納めなければなりません。
インボイスに対応しているキャバ嬢と、対応していないキャバ嬢がいると仮定します。お店はどちらに仕事を依頼したいでしょうか。
もちろん、消費税を差し引けるインボイスに登録しているキャバ嬢を使いたいでしょう。このため、対応していないキャバ嬢は仕事が減ってしまうことも考えられます。
キャバ嬢がインボイスに登録するかどうか決めるポイント
キャバ嬢がインボイスに登録するかどうかを決めるポイントは、お店から求められるかどうかです。
そもそもキャバ嬢がインボイス制度に登録するかどうかは自由です。また、お店がインボイス制度に登録しなくても経営していけるのであれば、報酬をもらっているキャバ嬢も登録しなくても問題ありません。
もし、お店がインボイス登録している場合は、キャバ嬢にも登録するように促すでしょう。先に説明したとおり、登録しないとお店がキャバ嬢の分の消費税も負担することになります。
このため、登録を促されたお店でこれからも働き続けたいと思う場合は、キャバ嬢もインボイス登録せざるを得ない状況となります。登録しないと、お店からの仕事が受けられないか減ってしまうからです。
ただし、お店がインボイス登録していてもキャバ嬢が登録しなくていい例外があります。
- キャバ嬢がどうしても必要で、インボイス分をお店が負担してでも働いてほしい場合
- お店が簡易課税というインボイスの特例を採用している場合
これらの場合は、キャバ嬢がインボイス登録しなくても支障ありません。お店からインボイス登録を求められていないのに、登録をして不要な消費税を払う必要はありません。
インボイス登録すると消費税の申告と納税の義務が発生してします。インボイスが必要と聞いて急いで登録する前に、お店側に登録が必要かどうか必ず確認しましょう。
インボイス登録の方法
インボイス登録をするには、紙の書類を提出するか、スマホやパソコンから電子手続きで申請する必要があります。
紙の書類は税務署の窓口だけではなく国税庁のサイトからダウンロードできるので、プリントアウトしたものに住所氏名など必要事項を記入して税務署に提出するだけです。
難しい手続きではないので、税務署へ持参して提出する際に説明を聞くのもよいでしょう。説明が不要であれば、登録申請書を郵送したり、マイナンバーカードなどを使ってスマホやパソコンから申請すれば大丈夫です。
インボイス登録の手続きを詳しく知りたい場合は、国税庁の申請手続のページをお読みください。
インボイス制度を簡単にするコツ
もしインボイス登録することになったら、経理や申告を済ませるために次のことを行うと簡単です。
- 会計ソフトを利用する
- 簡単な簡易課税（2割特例）を利用する
消費税の申告を手書きで行うのは現実的ではありません。個人事業主向けの会計ソフトを利用すれば、日々の入力から申告まで簡単に行えます。
毎年、所得税の確定申告を手書きで行っている人も、この際、会計ソフトに切り替えましょう。個人向けの会計ソフトは、毎月の利用料金が千円台からと低額で、申告書も自動で作成してくれます。いろいろなソフトがあるので、お試し版で一番使いやすいものを使ってみましょう。
また、会計ソフトを使えば消費税の申告が簡単になるといっても、インボイスに対応した領収書を集めたり、毎日ソフトに入力するのは面倒な作業です。
簡易課税は業種毎に経費の割合が決まっており、インボイスに対応した領収書を集める必要がありません。サービス業の経費の割合（みなし仕入率といいます）は50%とみなされます。さらに、消費税の2割特例という制度を利用すると、8割を経費としてみなすことも可能です。
ただし、領収書が一切不要なわけではありません。経費にするには、インボイスに対応していない領収書が必要なので注意しましょう。
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キャバ嬢にとってインボイス制度はここが不安！
キャバ嬢がインボイス制度で不安に感じる疑問についてお答えします。
Q1.本名はバレる？
国税庁のサイトにいけば誰でも、取引先がインボイス登録事業者かどうかを確かめることができます。ただし、公表されるのは登録番号と名前だけで職業は掲載されません。
また、登録事業者かどうかは、サイトに登録番号を入力して検索します。お客様に直接登録番号を教えない限り、本名がバレることはありません。
Q2.確定申告をしないといけない？
インボイス登録すると消費税の申告が必要になります。また、所得税を支払うほどの所得があれば、当然所得税の確定申告も必要です。
所得があるのに確定申告しないと、無申告加算税などの厳しい罰則があります。個人事業主向けの会計ソフトが安く使えるので、日頃から経理を行い正しく確定申告するようにしましょう。
Q3.インボイス登録で副業が会社にバレる？
インボイス登録しても会社にはバレません。国税庁のサイトでは、本名からの検索はできないからです。
ただし、副業収入が大きく副業分の住民税も給与から天引きされると、副業しているのではないかと疑われる可能性があります。副業分は天引きしないように、市区町村役場に相談しましょう。
Q4.親に内緒でキャバクラで働いているがインボイス登録で親にバレる？
インボイス登録しても、基本的には親にはバレません。た
だし、これまで無申告の人が所得税の確定申告を行うと、所得があることがわかり金額によっては親の扶養から外れてしまうことはあり得ます。副業をする際は、扶養から外れない範囲で働くかどうかを決めましょう。
まとめ
キャバ嬢がインボイス制度で気をつけるポイントは、次のとおりです。
- インボイス制度とは登録番号のついた請求書を発行すること
- 会社やお店が経費にするにはインボイス番号の請求書が必要
- インボイス登録が必要かどうかは、お店からの依頼によって判断する
前々年の1,000万円以下の個人事業主であれば、原則としてインボイス登録は必須ではありません。
それでもインボイス登録するかどうか判断するには、お店や取引先がインボイス登録してほしいか確認が必要です。必要とされなければ登録する必要はありません。
なお、所得があるのに申告しないと罰則があります。インボイス登録するかどうかにかかわらず、相応の所得があれば必ず確定申告を行いましょう。
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