永久指名とは?高級クラブの指名制度について詳しく解説!

男性と楽しそうに会話する水色のドレスを着た女性と目の前に座るスーツの男性

高級クラブで働き始めたばかりの方なら、「永久指名って何?」「私も永久指名をもらえるの?」「どうすれば担当のお客様を持てるの?」という疑問や不安を持っているかもしれません。

特に新人ホステスとして働き始めたばかりの頃は、先輩ホステスたちが「私の担当のお客様」と話しているのを聞いて、どうやったらそういう関係が築けるのか気になりますよね。

また、「永久指名」という言葉から「一度決まったら絶対に変わらないの?」と不安に思うこともあるでしょう。

高級クラブで働く上で、永久指名制度を理解することは非常に重要です。この制度がどのように機能し、あなたにどんなメリット・デメリットをもたらすのか、また、どうすれば永久指名をもらえるようになるのかを知ることで、高級クラブでのキャリアをより充実させることができます。

この記事では、高級クラブの永久指名制度について詳しく解説します。新人ホステスが知っておくべき基本から、制度の裏側にある理由まで、分かりやすくお伝えしていきます。

もくじ

永久指名とは?

ピンクの背景に置かれた多くの付箋とハテナマークが書かれた付箋

永久指名とは、高級クラブで採用されている独特なシステムで、お客様がお店に通う限り、原則として係(かかり)と呼ばれる担当ホステスが変更されないという制度です。

永久指名では、わざわざ「今日はあの子を指名したい」と言う必要がなく、来店するだけで担当のホステスがつくシステムです。

ただし、実際のお席では担当ホステス一人だけでなく、「ヘルプ」と呼ばれる他のホステスも2~4人ほど一緒に座ることがあります。これはお客様が同じ相手だけだと飽きてしまわないようにするための工夫です。

永久指名はホステスとお客様双方にとってメリットがあります。

永久指名されたホステスは、そのお客様の好みや趣味、仕事の状況などを覚えておき、前回の会話の続きができるため、毎回初めから関係を作る必要がありません。

お客様にとっては「自分のことをよく知ってくれている人」と過ごす安心感の中、リラックスした時間を過ごせるようになります。

この仕組みは一時的な接客ではなく、長く続く関係を大切にする文化から生まれました。

永久指名制はホストクラブや一部のキャバクラでも取り入れられている

ホストクラブにおいても永久指名制は一般的に見られるシステムです。ホストがお客様との継続的な関係を築くことで、より質の高いおもてなしを提供しています。

一方、キャバクラではこのシステムはあまり一般的ではありませんが、一部の高級キャバクラでは導入されていることもあります。これはお店の格式やサービスの質を高めるための戦略として採用されています。

永久指名は売り上げがあるホステスに関係する制度

高級クラブでは、ホステスは大きく分けて「売上ホステス」と「ヘルプのホステス」の二つの立場があります。

永久指名制度は主に売上ホステスに関係する仕組みで、「売上ホステス」とは、担当のお客様(指名客)を持っているホステスのことを指します。新人の「ヘルプのホステス」は通常、直接永久指名を受けることはありません。

永久指名を持つ売上ホステスの大きな特徴は、担当のお客様が使ったお金がすべて自分の売上としてカウントされることです。

例えば、あなたが永久指名で担当しているお客様がその日10万円使った場合、その10万円はすべてあなたの売上になります。たとえそのテーブルに他のヘルプホステスが座っていたとしても、売上はあなたのものです。

このように、永久指名制度は高級クラブの売上システムの中核をなす仕組みであり、ホステスとしてキャリアを積み、安定した収入を得るためには、最終的に売上ホステスとして永久指名を持つことが目標となります。

高級クラブで「永久指名」が採用されている理由は?

白い背景に置かれた虫眼鏡とビックリマーク

高級クラブで永久指名制度が広く採用されている背景には、色々な理由があります。ここでは、永久指名のシステムが採用されている主な理由を見ていきましょう。

高級クラブにはツケ払い制度があるため

高級クラブでは、常連のお客様に「今日はツケで」という支払い方法を認めることがあります。こうしたツケ払いがある中で、永久指名制度は重要な役割を果たしています。

お客様がツケで支払った場合、その代金を回収する責任は担当(係)ホステスに与えられます。

担当(係)ホステスはお客様の利用状況や予算を把握しているので、「そろそろお支払いのタイミングかな」と適切なタイミングで声をかけられます。

また、お客様の経済状況を考慮して無理な接客をせず、ツケが大きくなりすぎないよう調整する役割も担っています。

もしも固定の担当者がいなければ、誰がそのお客様のツケを管理するのか不明確になり、未払いのリスクが高まってしまいます

永久指名制度は、お金にまつわる微妙な話題も自然に対応できる信頼関係を作り、ツケ払いというデリケートなシステムを支えているのです。

ホステス同士のトラブルを回避するため

永久指名制度は、ホステス同士のトラブルを防ぐ大きな役割も果たしています。

高級クラブに永久指名がないと、「あのお客様は私が担当する!」と複数のホステスがお客様を取り合ってしまうことになります。特に大きく稼げるお客様をめぐって、ホステス同士でギクシャクした関係になってしまうでしょう。

永久指名制度があれば、「このお客様は○○さんの担当」とはっきり決まるので、ホステス同士のいざこざを防ぐことができます。これによって高級クラブ全体の雰囲気も良くなり、ホステス同士の協力関係も保ちやすくなります。

お客様にとっても、複数のホステスから同時に熱心な接客を受けてストレスを感じることなく、自分の担当(係)と落ち着いた時間を過ごせるというメリットがあります。

「永久指名」はどうやって決まるの?

複数の人型の置物のうち1つを掴む手

高級クラブでの永久指名は、お客様とホステスの関係を築く重要な制度ですが、どのようにして決まるのでしょうか。一般的に以下の3つのパターンで永久指名が決まります。

特定のホステスを目的に高級クラブに来た場合

他店から移籍したホステスに会うためにお客様が来店した場合、自動的にそのホステスが担当(係)になります。

お客様が「○○さんに会いたい」と指名して来店された場合は、そのホステスとの関係がすでにあるため、自然な流れで永久指名が成立します。

お客様の紹介で高級クラブに来た場合

すでにその高級クラブに通っているお客様の友人や上司の紹介で来店した場合、紹介者の担当ホステスが自動的に担当(係)になることが一般的です。

これは紹介者との人間関係を尊重し、スムーズな店舗への馴染みを促進するためです。

その他のケースで高級クラブに来た場合

お店の黒服(ボーイ)の紹介でお客様が来店した場合や、お客様の紹介で来店したが、紹介者の担当ホステスがすでに辞めている場合は、いったん「お店のお客様」という扱いになります。

この場合、最初に接客したホステスが担当(係)になることが多いですが、最終的には高級クラブのママが誰が担当(係)するかを決定します。ママは高級クラブ全体のバランスやホステスの相性などを考慮して、最適な担当者を選びます。

高級クラブの「永久指名」のメリットとは?

黄色とピンクの背景に置かれたMERITと書かれた青いブロック

永久指名には、高級クラブで働くホステスにとって様々な良いことがあります。単に売上が安定するだけじゃなく、心の余裕や成長のチャンスも得られるんです。

高級クラブで働くホステスの多くが、永久指名のお客様を増やすために頑張っているのは、それだけメリットが大きいからです。ここからは具体的にどんな良いことがあるのか見ていきましょう。

安定した売上を保てる

永久指名の一番大きなメリットは、やっぱり売上が安定することです。

永久指名のお客様は定期的にお店に来てくれるので、「今月はどれくらい稼げるかな」とある程度予測ができます。これによって生活の計画が立てやすくなり、お金の心配が減るのです。

また、「次はどのお客様を指名してもらおう」と考える必要が少なくなるので、目の前のお客様との会話や接客に集中できます。その結果、もっと信頼関係が深まって長く付き合えるようになります。

多くの高級クラブでは、永久指名のお客様が多いホステスにボーナスや特別手当がつくことも。基本給に加えて収入アップの可能性が広がります。

永久指名のお客様は「ホステスの宝物」とも言われています。長年の信頼関係があれば、ホステスが他店へ移籍しても、そのお客様が新しいお店に来てくれることも少なくありません。

安定した収入があることで、勉強や資格取得など自分への投資もしやすくなります。高級クラブで成功しているホステスの多くは、永久指名のお客様からの安定収入を基に、さらにキャリアアップしています。

指名本数のプレッシャーが少なくなる

永久指名のもう一つの大きなメリットは、毎日の指名獲得本数の重圧から解放されることです。

多くの高級クラブでは月間の指名本数にノルマがありますが、永久指名のお客様が多いホステスはこの心配が少なくなります。すでに安定した指名があるので、新しいお客様を獲得するプレッシャーが軽くなります。

「今日は指名が入るかな」という不安がなくなり、心に余裕が生まれます。この余裕が接客の質を高め、お客様の満足度が上がる好循環を生み出すのです。

また、永久指名のお客様の来店予定がわかっていれば、その時間に合わせて予定を組むことができます。無駄な待機時間が減り、効率よく働けるようになります。

指名獲得の心配が減ることで、他のホステスとの関係も良くなります。お互いに競争するのではなく、協力しあえる関係が築けます。

例えば、自分のお客様に他のホステスを紹介し「佐藤様、今度〇〇ちゃんのために佐藤様のような紳士で素敵なお客様を連れてきてくださると嬉しいです。」と伝えることで、ホステス同士の関係性もよくなり、高級クラブ全体の雰囲気づくりに貢献できるようになります。

指名本数を気にせず働ける環境は、ホステスとしての長いキャリアを考えたときにとても大切です。常に新しいお客様を探すのではなく、すでにいるお客様との関係を深められることで、より質の高い接客スキルが身につきますよ。

お客様との信頼関係を築ける

永久指名の最も価値あるメリットの一つが、お客様との深い信頼関係を築けることです。

高級クラブの仕事内容はお客様のおもてなしがメイン。同じお客様を長く担当(係)することで、表面的な会話を超えた深いつながりができます。お客様の仕事や家族のことまで知ることで、より心に響く接客ができるようになります。

お客様の人生の大切な場面に立ち会うことで、ホステス自身も成長を実感できます。「あのとき相談に乗ってくれてありがとう」と言われる喜びは、この仕事の醍醐味です。

また、信頼関係が深まると、お客様から他のお客様を紹介してもらえることも多くなります。これは単に売上アップだけでなく、質の高い人間関係を広げるチャンスにもなります。

様々な業界や立場のお客様と深く関わることで、ホステス自身の視野も広がります。ビジネスの知識や社会経験が豊かになり、将来のキャリアにもプラスになりますよ。

永久指名による信頼関係の構築は、単なる仕事上のメリットを超えた人間的な充実感をもたらします。多くのベテランホステスが「お客様から学んだことが人生の宝になった」と話すのは、こうした深い関係があってこそなのです。

高級クラブの「永久指名」のデメリットとは?

DEMERTと書かれたブロックのDEだけを持ち上げる女性の手

永久指名には良いことばかりではなく、気をつけるべき点もあります。これから高級クラブのホステスとして働く人や、すでにホステスとして働いている人は、こうした難しい面も知っておくことが大切です。

ここからは永久指名のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

売上を出せるホステスになるまでに時間がかかる

高級クラブでは、新人ホステスはまず「ヘルプ」と呼ばれる立場からスタートします。ヘルプのホステスは、自分専属のお客様を持つことができず、すでに担当のお客様を持っている「売上ホステス」のサポート役を務めます。

ヘルプとして働く間は、どれだけ一生懸命接客しても、そのテーブルでのお客様の飲食代金はすべて担当ホステスの売上になってしまいます。つまり、ヘルプのホステスは努力しても基本給しかもらえないという厳しい状況なのです。

例えば、あるテーブルで10万円の売上があったとしても、そのテーブルの担当ホステスがその売上を得て、ヘルプのホステスには売上としてカウントされません。これが高級クラブのシステムです。

そのため、売上を出せるホステスになるには、ヘルプとして経験を積んだ後、別のお店に移籍するなどして、自分が担当するお客様を持てる「売上ホステス」になる必要があります。

自分専属のお客様を持ち、安定した収入を得られるホステスになるまでには、相当な時間と忍耐が必要なのです。

これが高級クラブのホステスとして働く上での大きな壁であり、多くの新人ホステスがこの時期を乗り越えられずに辞めていくことも少なくありません。

責任が重くなる

永久指名で担当(係)を務めるホステスには、お客様との関係維持という大きな責任が生じます。担当のお客様が来店すると、その接客はすべて自分の責任となり、お休みを取りにくくなることもあります。

特にツケ払いを利用するお客様の場合、その売掛金の回収責任も担当ホステスに課せられます。お客様が支払いを滞らせた場合、お店からその回収を求められ、場合によっては自腹で立て替えなければならないケースもあります。

また、担当のお客様の機嫌や満足度も常に気にかける必要があります。

お客様が不満を持って他店に行ってしまえば、それは自分の売上ダウンに直結します。そのため、お客様の好みや状況を常に把握し、最高のおもてなしを提供するプレッシャーがあります。

さらに、永久指名のお客様同士が同じ時間に来店することもあり、そうした場合の時間配分や気配りも難しいものです。片方のお客様を長く放置すれば不満を持たれてしまうため、バランスの取れた接客が求められます。

このように、永久指名のホステスには売上だけでなく、お客様との関係維持や店舗運営における様々な責任が重くのしかかります。これはホステスにとって大きなストレスとなることもあります。

永久指名制の高級クラブでも指名替えが起こることがある!

黄色い背景に青いエクスクラメーションマークを持つ手

「永久指名」という名前から、指名は変更されないイメージを持ちますが、実際には例外的に指名替えが行われるケースがあります。

高級クラブでは基本的にお客様とホステスの関係を尊重しますが、以下のような特別な状況では担当ホステスが変わることもあります。

担当(係)のホステスが退店したり、夜職を引退した場合

ホステスの退店や引退は、永久指名の関係が自然に終わる最も一般的なケースです。

ホステスが結婚や独立などの理由で引退する場合、後任のホステスへの引き継ぎが丁寧に行われることが多いです。辞めるホステス自身が「この子に任せたい」と後任を指名することもあります。

長年の担当(係)ホステスが退店する際は、お店からお客様へ事前に連絡が入ります。お客様の意向を尊重しながら、新しい担当ホステスを決めるプロセスが踏まれます。

突然の退店の場合はママや経験豊富なベテランホステスが一時的にフォローすることもあります。お客様との関係を維持しながら、新しい担当者を慎重に選びます。

高級クラブの世界では、辞めたホステスの「希望」が尊重されることも少なくありません。「このお客様には〇〇ちゃんに担当してもらいたい」という引継ぎが行われるケースもあります。

担当(係)のホステスが退店したり退店することは、ヘルプのホステスが売上ホステスになれるチャンスでもあります。

担当(係)ホステスとお客様の間でトラブルが発生した場合

時には、永久指名の関係にあってもお客様と深刻なトラブルが発生することがあります。

最も深刻なのは金銭に関するトラブルです。ツケの支払いやお金の貸し借りに関する問題は、永久指名解消の大きな原因となります。特に高額なお金が関わる場合、お店も介入せざるを得ないことがあります。

業務時間外の連絡や過度な個人的な要求など、プライベートと仕事の境界線が曖昧になりトラブルになるケースも。

何らかの理由でお客様とホステスの間の信頼関係が崩れた場合、双方が望んで指名替えが行われることもあります。

トラブルが深刻化すると、ママや黒服(ボーイ)が間に入ることもあります。どうしても話し合いで解決できない場合は、指名替えという選択肢が検討されます。

トラブルによる指名替えは双方にとって辛い経験ですが、高級クラブでは「大人の対応」が求められます。感情的にならず、冷静に状況を受け止め、次のステップに進むことが大切ですよ。

担当(係)ホステスの接客態度が著しく悪い場合

プロとしての接客態度に問題がある場合も、指名替えの理由となることがあります。

お客様との長年の関係で慣れが生じ、接客の質が低下することがあります。遅刻が増えたり、会話が疎かになったりすると、お客様の不満につながります。

お店のルールを無視するなど、マナーやルールの無視も問題です。基本的なマナー違反が続くと、ママからの警告を経て指名替えが検討されることもあります。

また、単発のミスではなくクレームが蓄積した場合も注意が必要です。クレームが継続的に発生する場合、ママとしても対応せざるを得なくなります。特に複数のお客様から同様の指摘がある場合は深刻です。

接客態度による指名替えを防ぐためには、常に初心を忘れず、高級クラブのホステスとしての意識を持ち続けることが大切です。

長い関係だからこそ油断せず、むしろ期待に応えるべく努力を続けることが、プロのホステスとして求められる姿勢です。

まとめ:永久指名とは高級クラブのホステスにとって安定した売り上げを作れる制度!

高級クラブの「永久指名」は、ホステスにとって安定した収入と深い信頼関係を築ける重要な制度です。

お客様が来店するたびに自動的に同じホステスが担当することで、継続的な関係が築かれます。

安定した売上予測ができる一方で、責任の重さや指名替えのショックといった課題もあります。永久指名を成功させるには、常に自分を磨く事を忘れず、複数のお客様と良好な関係を築くことが大切です。

永久指名は単なる制度ではなく、プロとしてのキャリアを形作る重要な要素。メリットを最大化し、信頼関係を深めることが、長く業界で活躍するための鍵になるんです♡

シェアする
  • URLをコピーしました!
もくじ